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    各作品の詳細な情報と楽曲解説です。

    「武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル演奏会」 2024年12月9日(月)武蔵野音楽大学ベートーヴェンホール 指揮:飯森範親 演奏:武蔵野音楽大学ウインドアンサンブル 宵闇を彩る蛍、極彩色の花火、つんざく蝉の声、みずみずしい朝顔... 夏というのは非常にノスタルジックな季節だと思う。 遠い記憶は心の奥底に強く焼きついているはずなのに、 思い出そうとすればするほど泡沫のごとく消え失せる。 そして、脆く、儚い記憶は混濁し、ありもしなかった幻想的な夏の風景が立ち上る- Musashino Academia Musicae Wind Enseble Concert 2024...
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    委嘱:芬の集(長谷由香・細川喬弘・清原晏) 初演:2024年10月13日(王子ホール、東京) 今回新しい箏合奏曲を、ということでいただいた委嘱は、「サウナをテーマに曲を書いてください!」とのことだった。驚いた。聞けば、3人とも筋金入りのサウナーで、日々修行(?)を積んでいるらしい。 わたしも3人には及ばないが、サウナに集うものの一人である。その魅力は、メリハリにあると思う。サウナ室と水風呂の温度差、密室での灼熱と静謐な外気浴。ここには緊張と弛緩、あるいは抑圧と解放の往復運動がある。今回の楽曲では、そのリズミカルな運動よろしく、リズム・モチーフに導かれ、エネルギーが増大し、頂点に達した...
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      ■楽譜販売:https://noelworks.thebase.in/items/84557820 【楽曲情報】 作曲/2021年 演奏時間/8分50秒 委嘱/和歌山県橋本市 献呈/和歌山県立橋本高等学校 邦楽部 編成/1箏・2箏・3箏・17絃 協力/長谷由香・辻本啓子 【曲目解説】 大台ヶ原から始まり奈良県、和歌山県を流れてゆく紀の川。「ゆく河の流れは絶えずして…」とあるように絶えず流れゆく川は私たちにさまざまな顔を見せる。 滲み出る湧き水、疾走する白糸を束ねたような渓流。飛沫を上げ乱舞する急流、世界を映し出す水鏡。そして、人の営みの記...
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      いずみシンフォニエッタ大阪 第51回定期演奏会 「和洋感応 —愉悦の流域」 日時:2024年2月10日(土) 飯森範親(指揮) いずみシンフォニエッタ大阪   「ハルシネーション」とは「幻覚」「幻影」を意味する言葉であるが、人工知能(AI)が事実とは異なるがもっともらしい嘘を生み出すことを指す。今回、室内オーケストラの作品を書くにあたり、ぼんやりと海の作品を書きたいと思ったところから始まった。そのイメージから、ネットの海、人工知能のハルシネーション、波打ち際のあわい、事実と嘘の境界線…と連想的にコンセプトが緩やかに繋がり、作品が形作られていった。作品は4楽...
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